基本的な考え方
当社は、「信頼と限りなき挑戦」というグループ経営理念を掲げ、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を追求しています。お客さま第一主義、安全第一、社会貢献を行動指針として採用しています。また、経営構造改革の一環として、持株会社体制を導入し、経営意思決定・監督機能と業務執行機能を分離して効率的な経営体制を構築しています。当社はコーポレート・ガバナンスの強化を重視し、企業の成長を加速し企業価値向上を実現するために、ステークホル ダーから信頼と評価を得られる体制を構築しています。詳しくは下記「コーポレートガバナンス・コード各原則への取組みについて」をご参照ください。
コーポレートガバナンス体制図
コーポレートガバナンス強化の取り組み
2006年5月 | 内部統制システムに関する基本方針策定 |
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2007年6月 | 執行役員制度の導入 |
2012年6月 | 役員退職慰労金制度の廃止/社外取締役を初めて選任 |
2013年10月 | 単独株式移転により純粋持株会社「カーリットホールディングス株式会社」設立 |
2015年11月 | 役員株式報酬制度(BBT)導入 |
2017年6月 | コーポレートガバナンスガイドライン策定 |
2018年12月 | ガバナンス委員会設置 |
2021年3月 | 取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針を策定 |
2021年5月 | 取締役、監査役および執行役員の専門性と経験(スキル・マトリックス)を策定 |
2021年6月 | 役員株式報酬制度(BBT)の一部改定 |
2022年4月 | 「コーポレートガバナンス・コード各原則への取組みについて」を策定 |
2024年7月 | 商号を「株式会社カーリット」に変更 |
マネジメント(経営体制)
当社は取締役会の意思決定に基づき、経営環境の急激な変化に対応して業務を効率的に執行するため、取締役の任期を1年とするとともに執行役員制度を導入しています。さらに、社外取締役3名のほか社外監査役2名(常勤監査役1名・非常勤監査役1名)を含む4名の監査役により、取締役の業務執行を監督する体制となっており、経営監督機能は十分であると認識しています。社外取締役および監査役は経営全般、法令、財務、コーポレート・ガバナンス等に関して、豊富な知識と経験を活かし、独立・公正な立場から有益な提言を行います。また各監査役は、グループ経営戦略会議等の重要な会議に出席するなど、当社グループの事業内容に精通し、経営監督の実効性を高めます。
ガバナンス委員会
当社は、経営の透明性・公正性の確保を目的に、取締役会の諮問機関として委員の過半数を社外取締役とするガバナンス委員会を設置しています。当委員会は経営陣幹部・監査役の選解任の方針や取締役の報酬体系・報酬金額の方針、コーポレートガバナンスに関する事項について審議し、取締役会に意見を答申・助言します。ガバナンス委員会の構成は右に記載の通りです。
委員長 | 社外取締役 | 山本 和夫 |
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委員 | 社外取締役 | 新保 誠一 |
委員 | 社外取締役 | 村山 由香里 |
委員 | 代表取締役兼社長執行役員 | 金子 洋文 |
社外役員の体制(2023年6月29日現在)
※表の部分は横にスクロールできます。
氏名 | 主な選任理由 | 出席状況(2022年度) | |||
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取締役会 (全22回) |
監査役会 (全22回) |
ガバナンス委員会 (全10回) |
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社外取締役 | 山本 和夫 | 社外役員となること以外の方法で直接会社経営に関与した経験はありませんが、公認会計士としての専門的な知識と他社の社外監査役としての経験を有しているため。 | 100% | - | 100% |
新保 誠一 | 東京海上日動火災保険㈱常務執行役員を経て、数社において社外取締役、社外監査役を歴任。経営全般に関する豊富な経験を有しているため。 | 100% | - | 100% | |
村山 由香里 | 社外役員となること以外の方法で直接会社経営に関与した経験はありませんが、弁護士としての専門的な知識と他社の社外取締役、社外監査役としての経験を有しているため。 | 92% | - | 100% | |
社外監査役 | 野沢 勝則 | みずほ証券㈱常務執行役員を経て、みずほキャピタルパートナーズ㈱(現MCPパートナーズ㈱)代表取締役社長に就任。経営全般に関する豊富な知見を有しているため。 | 100% | 100% | - |
藤原 康弘 (新任) |
社外役員となること以外の方法で直接会社経営に関与した経験はありませんが、公認会計士としての専門的な知識と他社の社外取締役(監査等委員)としての経験を有しているため。 | - | - | - |
- 1 上記の取締役会の開催回数には、決議があったものとみなす書面決議5回を含んでいます。
- 2 社外取締役の村山由香里氏は、2022年6月29日の第9回定時株主総会において選任されたため、それ以降の取締役会およびガバナンス委員会の出席状況につき記載しています。
役員の専門性と経験(スキルマトリックス)
※表の部分は横にスクロールできます。
地位 | 氏名 | 企業経営 | 財務・会計 | 製造・研究開発・技術 | 法務・リスクマネジメント・ガバナンス | 企画・マーケティング | グローバル経験 |
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代表取締役兼社長執行役員 | 金子 洋文 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
取締役兼執行役員 | 小川 文生 | ○ | ○ | ○ | |||
取締役兼執行役員 | 山口 容史 | ○ | ○ | ○ | |||
取締役(社外) | 山本 和夫 | ○ | ○ | ||||
取締役(社外) | 新保 誠一 | ○ | ○ | ○ | |||
取締役(社外) | 村山 由香里 | ○ | |||||
監査役(社外) | 野沢 勝則 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
監査役(社外) | 藤原 康弘 | ○ | ○ | ○ | |||
監査役 | 青木 章哲 | ○ | ○ | ○ | |||
監査役 | 岩井 常道 | ○ | |||||
執行役員 | 岡本 英夫 | ○ | ○ | ○ | |||
執行役員 | 高橋 茂信 | ○ | ○ | ||||
執行役員 | 天内 心 | ○ | ○ | ○ | |||
執行役員 | 中津 隆一 | ○ | ○ | ||||
執行役員 | 引地 智則 | ○ |
取締役会実効性評価
当社では、取締役会がその役割・責務を適切に果たし、実効性を確保しているか、毎年アンケート形式による自己評価を行っています。
1)評価・分析方法
2022年度の取締役会の実効性評価について2023年3月に全取締役、監査役を対象として、以下の項目について質問および自由記載によるアンケートを実施しました。その後、4月の取締役会でこの集計結果を評価し、当社の取締役会の現状の強みおよび課題について確認しました。なお、アンケートの実施と集計は客観性を確保するために第三者機関に委託しました。
アンケート項目 全8項目33問
- 取締役会の役割・機能
- 取締役会の構成・規模
- 取締役会の運営
- 監査機関との連携
- 社外取締役との関係
- 株主・投資家との関係
- ガバナンス委員会の運営
- 総括
2)評価結果
当社取締役会は、昨年度に引き続き、取締役会の実効性がおおむね確保されていると評価しています。特に、ガバナンスを重視した取り組みとして、監査機関との連携を通じたグループのリスク管理のための情報収集の仕組みや、グループリスクマネジメント委員会や経営会議の活用が効果的に行われています。また、当社の社外取締役は、積極的にグループ会社を視察し、取締役会以外の会議にも参加するなど、グループ全体を強く意識した取り組みを行っています。後継者計画を含む経営人材の育成や取締役会の構成など、中長期的な議論の充実は特に重要な課題と認識しています。ガバナンス委員会での議論を重ね取締役会に答申し、取締役会における決議の環境整備を行うなど、今後も取締役会の実効性向上に向け取り組んでいく予定です。
2022年度取締役会の主な議論の例
次世代経営層候補者の育成
グループ全体の人財ポートフォリオおよび各社次世代経営層候補者リストを作成し、育成方針について議論いたしました。
中期経営計画「ローリングプラン2023」の策定
経営環境の変化に対応することで、中期経営計画「Challenge2024」の達成をより確実とすることを目的に、ローリング方式にて中期経営計画の見直しを行い、当社のROEおよびPERの向上を目指した具体的な施策を追加した中期経営計画「ローリングプラン2023」を、新たに策定いたしました。
役員報酬
役員報酬等の内容の決定方針
取締役の個人別の報酬等の内容にかかる決定方針を取締役会にて決議しています。当該取締役会の決議に際しては、あらかじめその内容についてガバナンス委員会に諮問し、答申を受けています。
基本方針
取締役の報酬は、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして十分に機能するよう株主利益と連動した報酬体系とし、 個々の取締役報酬の決定に際しては各職責を踏まえた適正な水準とすることを基本方針とします。具体的には、業務執行取締役の報酬は、固定報酬としての基本報酬、賞与により構成し、監督機能を担う社外取締役については、その職務に鑑み、基本報酬のみを支払うこととします。
報酬の構成
報酬の種類
基本報酬
月例の固定報酬とし、役位、職責に応じて他社水準、当社業績、従業員給与の水準をも考慮しながら、各取締役の職務の評価も加味して決定するものとしています。
賞与(業績連動型株式報 酬制度「役員株式 給付信託(BBT)」)
- 当社の取締役の報酬と業績および株式価値との連動性を明確にし、中長期的な業績の向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めることを目的とした業績連動型株式報酬制度としています。
- 業績連動型株式報酬等の総額について1事業年度60百万円を限度としています。
- 取締役(社外取締役を除く)に対し、連結経常利益を業績基準とし、当社が定めた役員株式給付規程に基づき達成度合いに応じて定められたポイントを付与します。連結経常利益を指標とする理由としては、営業活動を表す営業利益に財務活動による損益が加減されたものであり、経営活動全般の利益を表すものであるため、数値指標として採用します。一定の条件により受給権を取得したときに当該付与ポイントに相当する当社株式等を給付し、給付を受ける時期は原則として取締役の退任時とします。給付する株式については、あらかじめ信託設定した金銭により、取引市場または当社の自己株式処分を引き受ける方法により取得します。
業績連動型株式報酬制度「役員株式給付信託(BBT)」
下記算定方式により付与ポイントを計算し、毎年の定時株主総会終了日に受給予定者にポイントを付与します。
別表1 配分原資
※表の部分は横にスクロールできます。
業績基準 | 配分原資 |
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連結経常利益15億円以上、かつ連結純利益 10億円以上 | 連結経常利益の1.0%(取締役に対する上限60百万円) |
連結経常利益15億円未満、あるいは15億円以上であっても連結純利益10億円未満 | 支給せず |
- 1 連結経常利益、配分原資は百万円未満切捨て。
- 2 相応の理由がある場合には、取締役会決議によりポイントを付与しない場合がある。
別表2 ポイント付与割合
役位 | ポイント付与割合 |
---|---|
取締役会長 | 2.5 |
取締役社長 | 4.0 |
取締役副社長 | 2.5 |
役位 | ポイント付与割合 |
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取締役専務 | 2.0 |
取締役常務 | 1.5 |
取締役 | 1.0 |
- 1 各事業年度において付与されるポイント数合計の上限は取締役120,000ポイント。
- 2 ポイント割合に応じて割り振られる金額は1万円未満切り捨て。
役員区分ごとの報酬等の総額(2022年度)
※表の部分は横にスクロールできます。
役員区分 | 報酬等の総額 (百万円) |
報酬等の種類別の総額(百万円) | 対象となる役員の員数 | |||
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固定報酬 | 業績連動報酬 | 退職慰労金 | 左記のうち、 非金銭報酬等 |
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取締役1 | 127 | 104 | 22 | - | 22 | 63 |
社外取締役 | 21 | 21 | - | - | - | 44 |
監査役2 | 13 | 13 | - | - | - | 2 |
社外監査役 | 23 | 23 | - | - | - | 2 |
- 1 社外取締役を除く
- 2 社外監査役を除く
- 3 上記には2022年6月29日開催の第9回定時株主総会の終結の時をもって退任した取締役1名を含んでいます。
- 4 上記には2022年6月29日開催の第9回定時株主総会の終結の時をもって退任した社外取締役1名を含んでいます。