ポリオール複合塩(PEL)
ポリアルキレングリコールを主成分とするポリマーに過塩素酸リチウムなどを複合化させたイオン導電性付与剤です。
導電材料としてウレタン等の樹脂に添加することにより、優れた帯電防止(静電防止)性能を与え、静電気の発生を防ぎます。樹脂への埃付着防止、帯電制御および帯電除去用途の添加剤として適しています。
透明性
カーボン、金属粉などを混練した場合と比べ、透明性に優れている。
湿度依存性
界面活性剤を導電性付与材として使用した場合と比べ、湿度依存性が少ない。
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PEL | 界面活性剤 | カーボン | |
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湿度依存性 | ○ | × | ◎ |
透明性 | ◎ | ◎ | × |
中高抵抗値制御 | ○ | △ | △ |
用途
- 主にウレタンなどに添加し、導電性を付与。
- アクリル系の粘着剤に添加して、フィルム剥離時の帯電を防止。
製品別性状
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PEL-20A | PEL-100 | |
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外観 | 透明~淡黄色(液体) | 透明~淡黄色(液体) |
含有塩 | LiClO₄ | LiClO₄ |
塩含有量 | 10wt% | 10wt% |
水酸基価 | 約79 | 約57 |
備考 | 親水性 | 疎水性 |
LiClO₄:過塩素酸リチウム
数値は参考値であり、製品を保証するものではありません。
電荷調整剤(LR-147)
LR-147は、複写機やプリンターのトナーの帯電性を制御する電荷調整剤として用いられます。
環境安全性
LR-147は環境安全性を重視した重金属フリーかつハロゲンフリーの負電荷調整剤です。
カラートナーへの対応
LR-147は白色であり、カラートナーへの対応が可能です。
用途
- 複写機やプリンターのトナー電荷調整剤
- 帯電防止剤
物性データ
CAS No. | No. : 114803-11-1 |
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外観 | 白色から淡黄色(粉体) |
臭気 | 無臭 |
融点 | なし(TG-DAT法) |
分解点 | 343°C (TG-DAT法) |
蒸気圧 | 1.3x10-⁶Pa |
国内外インベントリー登録状況
日本(化審法) | 既存(白物質) |
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USA (TSCA) | 登録 |
EU(REACH) | 登録(REACH NO 取得) |
韓国(ECL) | 登録 |
オーストラリア (AICS) |
登録 |
中国 | 登録 |
イオン液体(CIL)
一般に塩化ナトリウムに代表される塩類は常温で固体であり、数百℃以上の高温領域で融解して液体(溶融塩)となります。近年になり特定有機の陽イオンと陰イオンの組み合わせにて室温で液体となる塩が見出され、イオン液体(常温溶融塩)と呼ばれ大きな注目を集めています。
- 幅広い温度領域で液体
- 高イオン伝導性
- 電気分解しにくい
- 化学安定性が高い
- 使用溶媒種に応じて溶解するものを選定可能(疎水性・親水性タイプあり)
- 透明性に優れている
- 界面活性剤と比べ湿度依存性が低い
- 添加量が1%前後で物性への影響が少ない
用途
- 剥離帯電防止
- 樹脂やゴム練り込みによる導電性付与
- 電気化学デバイス用電解液
- 再利用可能な有機合成用溶媒
- 合金組成等を制御した金属の電析
- コーティング樹脂への添加による帯電防止付与
製品リスト
CIL-312:疎水性であり、ポリエステルやアクリル系のバインダー樹脂との相溶性に優れていることから、フィルム等のコーティングインキに配合した際に導電性能が発現しやすい。
CIL-313:親水性であることから、水系の帯電防止インキ等にも使用可能。また、比較的高い熱分解温度を有するため、各種樹脂への混錬にも適応。
- 上記は標準生産品であり、環境に調和したPFASフリー、ハロゲンフリーイオン液体の構造設計に取り組んでおり、準量産品・開発品は多数揃えています。用途に応じたカスタマイズにも柔軟に、少量でも対応します。 (例. 疎水性・親水性の変更、反応性官能基の導入 etc)
製品別性状
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CIL-312 | CIL-313 | |
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外観 | 透明~淡黄色(液体) | 透明~淡黄色(液体) |
溶解性 | 極性有機溶媒:易溶 水:不溶 |
極性有機溶媒:易溶 水:易溶 |
電導度 mS/cm(20°C) | 2.85 | 2.95 |
分解開始温度 | 267°C | 315°C |
引火点 | 364°C | 275°C |
数値は参考値であり、製品を保証するものではありません。
各種溶媒との相溶性
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CIL-312 | CIL-313 | |
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水 | × | ○ |
炭酸プロピレン | ○ | ○ |
アセトニトリル | ○ | ○ |
メタノール | ○ | ○ |
NMP | ○ | ○ |
エタノール | ○ | ○ |
アセトン | ○ | ○ |
МЕК | ○ | ○ |
2-プロパノール | ○ | ○ |
酢酸エチル | ○ | ○ |
酢酸ブチル | ○ | △ |
m-キシレン | × | × |
トルエン | × | × |
ヘキサン | × | × |
ゴム用高性能導電性付与剤(QAP)
NBR等の高極性ゴムに添加することで、優れた電気特性を発現します。このためゴムローラー等に応用可能です。
- 耐久性に優れています。
- 透明性に優れているため、色調への影響は軽微です。
- 湿度依存性が低いため、湿度下でも安定した導電性を保持します。
用途
- 帯電防止、静電気防止(静電気除去)
性状、特性
QAP-01
外観 | 白色粉末 |
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分解開始温度(DSC)(°C) | 269 |
表面抵抗率(Ω/□) | 10⁸~10¹¹※ |
当社テスト測定値
過塩素酸リチウム30%水溶液 (LP-30)
- 透明性に優れている
- 界面活性剤に比べ湿度依存性が低い
- 水系塗料・水系エマルジョンにご使用可能
- 消防法上普通物
物性
外観 | 無色~淡黄色の液体 |
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組成 | 過塩素酸リチウム 30.0% 水 70.0% |
危険有害性分類 | : 酸化性物質 ※ 過塩素酸リチウム濃度30%水溶液では、危険物第1類に該当しません。 |
過塩素酸リチウム単体の性質
比重 | 2.429 |
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転移点 | 92.53℃(三水塩⇒一水塩)
145.73℃(一水塩⇒無水塩) |
融点 | 236℃ |
分解温度 | 440℃(分解しLiClO、O₂を生成) |
導電性高分子有機溶媒分散液(HTCP)
チオフェン系導電性高分子を特殊重合技術により作製し、それを有機溶媒中で分散液化した製品となります。
各種バインダー樹脂との混合が容易であり、基材に塗布し、乾燥することで、高透明かつ高導電性の皮膜を形成できます。
また、バインダー樹脂、強酸成分のPSS(ポリスチレンスルホン酸)、重金属、ハロゲン化物は含んでいないため、用途に応じて適切なバインダー樹脂を選定可能です。
形成した塗膜は導電性高分子の電気特性を備えるため、表面抵抗に湿度依存性がなく、低湿度においてもその導電性を損なうことはありません。
PSSフリーで吸湿性もないため、アウトガス等も発生しません。
用途
- 帯電防止コーティング(メタルフリー、ハロゲンフリー)
- イオン導電材より低い表面抵抗値を実現
製品別性状
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HTCP-400M | |
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分散溶媒※ | MEK & MIBK |
固形分(有効分) | 8% |
メディアン径(D50) | 300~400nm |
- MIBKを含まないタイプや、ほかの分散溶媒タイプもあります。(開発品)
塗布見本
- 表面抵抗率 1E+07 ~1E+08 Ω/□
- 可視光透過率 89~90%(基材PETフィルム 91~92%)
- 膜厚や添加量を調整願います
