COMMITトップコミットメント

当社グループの起源は1918年、後にセメント王と呼ばれた浅野総一郎がスウェーデンからカーリット爆薬の製造技術を導入したことに遡ります。当時の日本は政府主導のもと近代国家への歩みを大きく進めており、道路整備やダム建設などにおいてセメントの需要が高まっていました。「国を豊かにするためにセメントは必ず必要になる」浅野総一郎は、国の未来を考え、セメント事業に着手しました。カーリット爆薬は、セメントの原料となる石灰石の採石用として使われ、セメントの大量供給に大きな役割を果たし、日本が近代国家としての礎を築く一助となりました。
以降も当社グループでは、創業者の信念に沿い「社会が何を求めているか」、「社会の成長にどう寄与するか」といった社会課題に対し、モノづくりやサービスの提供を通じて解決することを使命とし、独自性のある価値創造に挑戦し続けています。
昨今、気候変動をはじめとする社会課題の解決に向けた企業への要請が急速に高まりを見せ、サステナビリティへの取り組みを経営に反映させることの重要性が増しています。2022年度を初年度とした中期経営計画「Challenge 2024」は、2030年のありたい姿「持続可能な社会に貢献するために、"化学"と"技術"の力を合わせ、人びとの幸せな暮らしを支えたい」からバックキャストして策定しました。ESGに関わる戦略として「ESG経営の高度化」と「事業インフラの再構築」を策定し、計画の遂行により、事業を通じた能動的・積極的な取り組みを強化し「利益ある成長」と「ESG」を具現化してまいります。
冒険心にあふれ、起業家精神を持つ浅野総一郎は、度重なる挫折にもめげず事業を成功に導きました。七転び八起きでは足りず、「九転十起の男」とも呼ばれた創業者の不屈の精神に倣い、社会を取り巻く環境が厳しさを増している今こそ、改めて創業の精神に立ち返り、最大の財産である社員一人ひとりの力を結集して立ち向かってまいります。活き活きとした職場から、社会に必要とされ、社会に貢献する製品・サービスの提供を行うようグループをあげて邁進いたします。
株主の皆さまをはじめとするすべてのステークホルダーの皆さまにおかれましては、引き続きご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

代表取締役兼社長執行役員

金子洋文